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思いつきで動く人たちの活動記録的めもだんだ
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舞台設定とかとか、城の描写――
 
 城――。
 豪華絢爛という造りではなく、質素な雰囲気を醸し出すのは、石造りのせいだろう。それは、どこか堅牢な監獄を想像させた。
 だが、決して、重苦しいだけの牢屋というわけでもない。はたと見ると、朱色や金色を惜しみなくあしらった家具も存在するのだ。
 さながら、王族の住居である。
 しかし、生活感をあまり感じないのは、どうしてだろうか?
 それは、その城の主である、少女が部屋から一歩も出ないためであった。確かに少女は、城からは僅かにも出ることが出来ない。しかし、部屋からは出れるはずである。
 ――何故出ないのか。
 それは、偏に、少女の物ぐさな性格が由来している、としか思えない。彼女にそれを言うと、きっと必死に否定するだろうが、傍目から見ても、そういう人間臭いところがあるのだ。それは認めざるを得ない事実であった。

 ――そして、今、その城の中に、その少女を呼ぶ声がこだましていた。
「スゥー、スゥー、スゥー」
 寝息のような、城の主である少女のあだ名を連呼する、赤毛の髪を帽子の下に隠した少女、ジェシカは城の中を練り歩く。歩きながら、珍しいこともあるものだ、と思っていた。

 今日、いつものようにスゥの部屋に遊びに行くと、なんとスゥがいなかったのである。
(いつもはピアノの前に座っているか、ベッドに横たわっているのに)
 ジェシカはスゥを探すため、城中散策するはめになったのだ。
 城の中は単純な構造だが、部屋数だけは、やたら多いため、探すのは苦労する。
 不意に、目の端に何かを捉えたジェシカは振り返った――。
 螺旋階段のほとり、大きな縁取りで、両開きになっている窓の下に、人影があった。
「スゥ?」
「……ジェシカ……? ……どうか、したの?」
 スゥは窓から少し突き出た台の上に、肘を付いて、外を眺めていたらしい。ジェシカの呼びかけに、顔の向きだけを変えて、ジェシカを見つめていた。そのけろりとした顔には、清々しささえ窺える。
 ひどい話しだ、とジェシカは嘆息をついた。
 こっちは、息急く切って捜し歩いたというのに……。
 しかし、ジェシカは、スゥの微笑を見ると、怒る気もなくしてしまうのだ。
(もう、ずるいなぁ)
 ジェシカは、再度、ため息をついた。
「今まで、何してたんだい?」
「……外を見ていたの」
「外?」
「……うん。……いつか行ってみたい」
 ジェシカは、スゥの願いは全て叶えてやりたい、と思っているのだが、こればかりはジェシカ一人の力ではどうしようもない。
 スゥもそれを理解している。だから、眺めているだけなのだ。
 それでも、いつか――、と願っているのだ。
 だから、ジェシカも、いつか――、と願う。
 いつか、スゥが自由になれるように……。
「姫、その願い、ボクが叶えて差し上げましょう」
 ジェシカは、マントを無くした貴族のような立ち振る舞いを見せた。左手を曲げ、顎の近くに引き寄せ、右手を真横に伸ばして、顎を引き、軽く会釈する。
 これは本来、男性が用いる作法であったが、「姫」と言ってしまった手前、女性のような小さな動作では恰好がつかない。もとより、ジェシカはドレスでなかったので、裾をちょいと持ち上げる動作は出来ないだろう。
「……待っています。……王子様」
 そう言って、スゥは女性らしい仕草で、お辞儀をした。
「いつか、ね。――それまでは、ボクが外の話しを聞かせてあげるよ」
「……うん。……ありがとう」
「じゃあ、部屋に戻ろうか。今日はどんな話しがいい?」
 ジェシカの問いかけに、スゥは微笑を湛えて、小首を傾げた。人差し指を唇に当てている。きっと、頭の中で色々な想いを巡らせながら、どんな話しがいいか、考えているのだ。 
 ――ふわりと、風が吹いた。
 その風は、懸命に思案しているスゥをからかうように通り過ぎると、そのまま城の中に消えていってしまった。
 ジェシカは、それを目で追って、再びスゥに視線を戻す。スゥはまだ思案中であった。

 そこにある、変わらない日常。
 それは、儚いものであり、きっと永遠ではない。
 そんな当たり前のことに、若干の幸福と不幸を思いながら、城での毎日は過ぎていくのであった。

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 眠い眠い眠い……。
 ブログ、止めていて申し訳ないです。   By 律氏



posted by ソウダ企画 | 16:05 | シナリオ | comments(0) | trackbacks(0) |
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